○吹田市市民公益活動の促進に関する条例
平成14年3月29日条例第8号
吹田市市民公益活動の促進に関する条例
21世紀の地方分権社会においては、地方自治体の自己決定権の確立とともに、市民自治の向上が期待されている。
今日、市民ニーズが多様化し、個別化していく中で、より豊かな市民生活を築くためには、行政や企業だけでなく、柔軟性、独創性を持ったボランティアやNPO等の市民公益活動が社会的な役割を担っていくことが必要となっている。
社会サービスの供給主体として、自主的かつ自律的に市民公益活動を行っている市民や団体が、地方自治の担い手として、様々な活動を行うことのできる環境を整えることにより、自助、互助、公助の社会、とりわけ市民がお互いに支え合う互助の社会を実現していくことが重要である。
このため、市、市民、事業者及び市民公益活動団体のそれぞれの立場を尊重しながら協働し、まちづくりの主体である市民が自らの意思で参加する自由で柔軟な発想を持った市民公益活動を促進することをめざし、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、市民公益活動の促進についての基本理念を定め、市並びに市民、事業者及び市民公益活動団体(以下「市民等」という。)の役割を明らかにするとともに、市民公益活動の促進に関する施策の基本となる事項を定め、施策を総合的かつ計画的に推進することにより、地域社会の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「市民公益活動」とは、市民が自発的に行う営利を目的としない社会貢献活動をいう。ただし、次に掲げる活動を除く。
(1) 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動
(2) 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動
(3) 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動
2 この条例において「市民公益活動団体」とは、市民公益活動を行う者の団体であって、主として市内を活動地域とするものをいう。
(基本理念)
第3条 市及び市民等は、市民公益活動の促進に当たっては、地域社会の向上をめざして、それぞれの果たすべき役割を自覚し、対等の関係において相互に補完し合って協力する協働関係の構築に努めるとともに、市民公益活動を行う者の自主性及び自律性を尊重するものとする。
(市の役割)
第4条 市は、基本理念に基づき、市民公益活動に関する情報を市民等に積極的に提供するとともに、市民公益活動の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するように努めなければならない。
2 市は、市民公益活動団体に対し、専門性、活動地域の特性等をいかした活動が促進されるように努めなければならない。
(市民の役割)
第5条 市民は、基本理念に基づき、市民公益活動に対する理解を深め、自主的にその活動を行い、又はこれに協力するように努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念に基づき、市民公益活動に対する理解を深め、その活動に協力するように努めるものとする。
(市民公益活動団体の役割)
第7条 市民公益活動団体は、基本理念に基づき、市民公益活動の推進に努めるとともに、その活動に関する情報の公開等により、活動に対する理解を広めるように努めるものとする。
(基本方針)
第8条 市長は、市民公益活動の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、市民公益活動の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 市民公益活動の促進に関する基本的な指針
(2) 市民公益活動の促進に関する基本的な施策(以下「基本施策」という。)
(3) 前2号に掲げるもののほか、市民公益活動の促進に関する重要な事項
3 市長は、基本方針を定めるに当たっては、市民等の意見の反映に努めるとともに、吹田市市民公益活動審議会に諮問しなければならない。
4 市長は、基本方針を定めたときは、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(基本施策)
第9条 基本施策には、市民公益活動を促進するために必要な環境の整備に関する事項で、次に掲げるものを定めるものとする。
(1) 市民公益活動の場所の整備に関すること。
(2) 市、市民等及び市民公益活動を行う者の相互間の連携及び交流に関すること。
(3) 市民公益活動に関する情報の収集及び提供に関すること。
(4) 市民公益活動を行う者の能力の向上に関すること。
(5) 市民公益活動団体に対する助成に関すること。
(6) 前各号に掲げるもののほか、市民公益活動を促進するための環境の整備に必要な事項
(市民公益活動団体の活動内容等の公表)
第10条 市長は、市民の市民公益活動への参加意欲の醸成を図るため、市民公益活動に関する情報を公開しようとする市民公益活動団体から当該情報の提供があったときは、それを公表しなければならない。
2 前項に規定する市民公益活動団体は、活動内容等を市長に届け出なければならない。
(市民等の意見の反映)
第11条 市長は、市民公益活動の促進に関する施策に、市民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(審議会)
第12条 本市に、吹田市市民公益活動審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議し、答申するものとする。
(1) 基本方針に関する事項
(2) 前号に掲げるもののほか、市民公益活動の促進に関する重要な事項
3 審議会は、市民公益活動の促進に関する事項について、市長に意見を述べることができる。
4 審議会は、委員10人以内で組織する。
5 委員は、学識経験者、市民、事業者及び市内の公共的団体の代表者のうちから市長が委嘱する。
6 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
7 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、平成14年4月1日から施行する。